ペグとは
ペグはテントやタープを地面に固定するために使用する杭で、キャンプをするためには必要不可欠です。
このペグがしっかり刺さっていないと、テントやタープに張りを出すことができず綺麗に設営できないどころか、テントやタープは風に飛ばされてしまい、安全性に欠けてしまいます。
テントサイトの地面や状態に合ったペグを使い分け、正しく刺し込む必要があります。
では、ペグにはどんな種類があるのでしょうか?
ペグの種類とそれぞれの特徴を解説し、選び方種類別おすすめペグをご紹介します。
ペグの重要性
テントやタープを購入した際にペグが付属していることがほとんど意外と軽視しがちなペグですが、使用する地面によっては付属のペグだと安全に設営することができません。また付属のペグは曲がりやすいため、最も自分に適した物を早い段階で揃えたいアイテムです。
ペグの種類や特徴を理解して自分に適したペグ選びをしましょう!
ペグの種類
鍛造ペグ
・得意な地面:柔らかい地面(芝生・土など),硬い地面(砂利・石混じりの土など)
・苦手な地面:非常に柔らかい地面(砂浜・腐葉土・雪など)
金属に圧力を加えて形を作る鍛造(たんぞう)という金属加工法によって作られたペグです。
頑丈で耐久性があるため鉄のハンマーでガンガン地面に打ち込めます。ただし少し重いです。
ペグの中では比較的高価ですが、丈夫で長く使用できるため多くのキャンパーに好まれて使用されています。
芝生や乾いた土などの柔らかい地面から砂利などの硬い地面まで幅広く対応していますが、砂浜などの極度に柔らかい地面にはあまり適していません。
鍛造ペグには同一種類で長さが異なるものも多く販売されています。タープは特に風に煽られやすいため24cm以上の長さのペグを使うと安定感が増します。
ピンペグ
・得意な地面:柔らかい地面(芝生・土など)
・苦手な地面:非常に柔らかい地面(砂浜・腐葉土・雪など),硬い地面(砂利・石混じりの土など)
ピンペグは、テントやタープに付属してくることが多いペグです。ペグの上部がフックや円の形をしています。
アルミ製のものが多く、軽くて取り扱いやすい反面、耐久性が低く硬い地面に打ち込むと曲がってしまう可能性があるため注意が必要です。
またヘッドが平らではないためハンマーでペグを打つ力がうまく伝わらず、硬い地面の場合は刺さりづらいこともあります。
芝生や土などの柔らかい地面に適していて、砂浜などの非常に柔らかい地面や砂利などの硬い地面には不向きです。
鍛造製のペグに比べて、固定力は劣りますが、その分軽く、持ち運びもしやすいです。
そのため登山やツーリングキャンプなど荷物の重量を減らしたい場合にはおすすめです。
少し効果ですがチタン製やジェラルミン製のピンペグもあり、アルミ製のペグのように簡単に折れたり曲がったりしません。
ネイルペグ
・得意な地面:柔らかい地面(芝生・土など)
・苦手な地面:非常に柔らかい地面(砂浜・腐葉土・雪など)
ネイルとは英語で釘を意味します。ピンペグと違いペグの上部が平らになっているのでハンマーからの力がまっすぐに伝わり、釘のようにまっすぐ打ち込むことができ、打ち込みやすくなっています。
スチール製のものが多く、丈夫で曲がりにくいこともポイントです。
芝生や土などの柔らかい地面に適していて、砂浜などの非常に柔らかい地面には不向きです。
ヘッドの部分に平らなプラスチックがついていてハンマーでペグ打ちをする際の力がしっかりと伝わるようになり、硬い地面でも刺さりやすくなります。
ただヘッドはプラスチックなので、ヘッドだけ壊れてしまうこともあります。
V字・U字ペグ
・得意な地面:非常に柔らかい地面(砂浜・腐葉土・雪など)
・苦手な地面:硬い地面(砂利・石混じりの土など)
V字・U字ペグはその名のとおり断面の形がVやUの形をしたペグです。
地面に接する面積が大きいため、砂浜などの柔らかい地面でも抜けにくいことがメリットです。
また形状がスタッキング(重ねあわせること)できる形なのでコンパクトにまとめることができます。
ただその形状から溝に土が詰まってしまうことが多く、片付けの際に手入れが面倒なところが欠点です。
砂浜などの非常に柔らかい地面に適していて、砂利などの硬い地面には不向きなことが多いです。
ヘッドに特徴があるので、ハンマーで打つ際に注意が必要です。
X字・Y字ペグ
・得意な地面:非常に柔らかい地面(砂浜・腐葉土・雪など)
・苦手な地面:硬い地面(砂利・石混じりの土など)
X字・Y字ペグはその名のとおり断面の形がXやYの形をしたペグです。
V字・U字ペグよりもさらに地面から抜けにくい構造になっていることが最大の特徴です。
ただし構造上スタッキングしてまとめることはできません。
また、V字・U字ペグ同様、溝に土が詰まりやすく、片付けの際に土を取り除く必要があります。
砂浜などの非常に柔らかい地面に適していて、砂利などの硬い地面には不向きなことが多いです。
プラペグ
・得意な地面:非常に柔らかい地面(砂浜・腐葉土・雪など)
・苦手な地面:柔らかい地面(芝生・土など),硬い地面(砂利・石混じりの土など)
プラペグはプラスチックでできたペグのことでその形状に関わらず素材がプラスチックであれば該当します。
形状は様々なものがあり、先ほど紹介したX字・Y字ペグなどもあります。
プラペグは軽量で安く購入できることがメリットです。
その分、耐久性はないため鉄製のハンマーなどを使用するとすぐに破損してしまいます。ですのでハンマーもプラスチック製を使う必要があります。
プラペグは砂浜などの非常に柔らかい地面に適していて、砂利などの硬い地面には不向きです。
3段階評価 | 鍛造ペグ | ピンペグ | ネイルペグ | V字・U字ペグ | X字・Y字ペグ | プラペグ |
---|---|---|---|---|---|---|
非常に柔らかい地面 (砂浜・腐葉土・雪など) | △ | △ | △ | ◎ | ◎ | 〇 |
柔らかい地面 (芝生・土など) | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | △ |
硬い地面 (砂利・石混じりの土など) | ◎ | △ | 〇 | △ | △ | △ |
ペグの選び方
種類(形状)で選ぶ
前述したようにペグには様々な形状があり、それぞれ得意・不得意な地面や状態があります。
使用する地面に適したペグを使用しないと地面に入っていかなかったり、すぐにペグが抜けてしまったりします。
適したペグを適した場所に使用することで安心安全にキャンプを楽しむことができます。
素材で選ぶ
ペグにはアルミ製、スチール製、チタン製などがありますが、一般的に重い素材は比較的頑丈で曲がりにくく、軽い素材は折れたり曲がりやすかったりします。
ですが軽量な素材はキャンプツーリングの方や電車でキャンプに行く場合に荷物の負担を減らすことができるというメリットもあります。
長さで選ぶ
ペグは長くなればなるほど抜けにくくなりますがその分、地面の下の方までペグを打ち込まなければいけません。ただし長くなるほど重くかさばるため用途や場所に合わせてペグの長さを選択する必要があります。
一般的にテントに使用する場合は20cm、風の影響を受けやすいタープに使用する場合30cm~40cm、砂浜や柔らかい土などペグが抜けやすい場所では50cmの長さが必要だとされています。
出典:snowpeak
5段階評価 (S~D) | 鍛造 | ジュラルミン | チタン合金 | アルミ | スチール | ステンレス | プラスチック |
---|---|---|---|---|---|---|---|
軽さ | C | A | B | A | C | C | S |
丈夫さ | S | B | A | D | D | A | D |
さびにくさ | C | C | S | B | D | B | S |
※購入するペグの本数に注意!
自分が使用するテントの本体とガイロープ分のペグは必須となります。
ガイロープを張らずにテントを設営すると綺麗にテントが張れないだけでなく、風の影響を受けやすくなり、テントが飛ばされたりフレームが曲がったりして危険です。
ですのでテント本体だけでなくガイロープを固定できるよう、ガイロープ分のペグも用意してください。
また、無くしてしまったり曲がったりしてペグが足りなくなることもあるので予備で何本か持っていると安心です。
種類別おすすめペグ8選
ソリッドステーク 30 /Snow Peak(スノーピーク) | 鍛造ペグ
ジュラパワーペグ / UNIFLAME(ユニフレーム) | ピンペグ
スチールネイルペグ / Coleman(コールマン) | ネイルペグ
V型ペグ / Nordisk(ノルディスク) | V字ペグ
ステンレスペグ / UNIFLAME(ユニフレーム) | U字ペグ
グラウンドコントロールテントペグ / Sea To Summit(シートゥサミット) | X字ペグ
ジュラルミンYペグ / Coleman(コールマン) | Y字ペグ
ogawa(オガワ) テント用 ペグ / ogawa(オガワ) | プラペグ
まとめ
ペグはテントやタープなどの付属品として扱われるキャンプギアの中でも少し目立たないアイテムではありますが、ペグが無ければテントやタープが設営できず、無いと困る非常に重要なアイテムです。
たかがペグ、されどペグ。適当に選ばず、その場所に適したペグを選んで安全にキャンプを楽しんでください。